方向性なし(いや主にオンラインゲームだが)の ごった煮ブログ


by Drhayasi
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

爆裂無敵 番外王 小説編 第34話

まどろみが続く中、不思議な意識と対面する。
姿なき同一人物。

(はじめて面と向かい合うと感慨深いな…)

何の用だよ…放っておいてくれないか…。
もう、全ての事などどうでもよくなった筈なのに、なんでボクに話しかけるんだ。

(つれないんだな。こうして向かい合えたことが奇跡だというのに。)

今はそんな奇跡などに驚いたり感動したりするつもりなんかない。
放って置いてくれ。すべて無に帰るだけなんだから。


(ほぉ…無に帰るとはまた…長い時間で物を考えるんだな。)

…なにか間違ってるとでも言うのか?

(無に帰るまでの長い時間…ほんのひと時だけ…もう一度だけ…暖かい『有』の時間を過ごす事ができるとしても…キミはそんなことをずっと思い続けるのか?)


…?

………。



爆裂無敵 番外王  第34話 ~世界制服屋と正義の味方ごっこ~


総勢で砂をかきだし、5分ほどで馬が救出される。
我ながら何やってんだろうと思ったが、雰囲気的になにか助けなきゃいけないような気がしたから思わず手伝ってしまった。

「ふぅ~、いい汗かいたわな~。」
「ヒィー。」
「お、オレンジジュースか。気が利くなぁ!お前達も飲め飲め!」
「ヒィー!」

ジョッカー軍団たちはお互いが持ち合わせてるドリンクを交換し合いながら飲み干してる。
ってあれ?手下たちって全身タイツのような服きてたからよくわからんかったが、マスクとった顔って普通の人間そのものだな。

「はぁー、うまい!」
「一汗かいたあとの水分補給は最高だなぁ!」

ちょっとまて!お前ら普通にしゃべれてるじゃないか!!
…あのマスクか!?あのマスクがしゃべる言葉をすべて『ヒィー!』に変えてるのか!?


「おう、あんさんも喉かわいたやろ?のみ!」
そういって、蜘蛛男がコップを差し出してオレンジジュースを注いでくれる。

「お、おう…。」

思わず受け取ってしまった。
こいつらの行動からして、様々な意味で悪意というものがないらしい。
なら、このジュースに毒が入ってるとか変な気を起こさなくてよいのか?

ウィッシュルーンがほしいという目的のはずなのに…。
どこか、おかしく見えてしまうこいつらを信用してみることにしよう。

ゴク…ゴク…

俺はオレンジジュースを飲み干した。
…うまかったし、今のところ体に変な調子は見られない。

「ああ…うまい。」
「せやろ~?せや!ドッペルものみ!あんさん敵やけどえらい目にあったしのぉ!」

そういって、蜘蛛男がオレンジジュースを注がれたコップをドッペルに渡そうとする。

「ふん…我はそんな下衆な飲み物など好まぬ。」
「おや~…せなことゆうたかて、あんさん冷や汗びっしょりやで~のみーな!」

そっぽを向くドッペルにからむ蜘蛛男。
この蜘蛛男、単純に気のいい男というだけの男なのか?

「我は高貴なる大悪魔、ドッペルゲンガー様だぞ?お前のような下衆に付き合う義理などない。」

…あ、思い出した。

ドッペルゲンガーって…たしか…
影が薄いっていうか、体がなんとなく半透明の男剣士姿な悪魔…だっけ。
ゲフェンタワーの地下に潜むといわれ、その一帯のモンスターを締める結構厄介な悪魔…らしい。

…で、それが仮面ドッペルとか名乗ってジョッカーと戦ってるとでもいうのか?

「さよか~?なら、なんで馬を助けるときに呼んだんや?そんな意固地にならんでもええがな~。仮面ドッペルたるもの、それくらい受けれる器ぐらいあるやろ~?」

随分としつこい蜘蛛男。

「その、仮面ドッペルとはなんだ?我は仮面などつけた覚えなどない。ただ、黒皇丸(こくおうまる)の悲しみと怒りが、お前らの元に導かれ倒しているに過ぎん。」

と、ドッペルゲンガーは馬に手を当てて真剣なまなざしで物を言う。
あの馬、黒皇丸っていうのか…仰々しい…。

「ええやないか~。仮面ドッペル、かっこええやないけ?ワテらの間では一番の邪魔者やでぇ、愛憎込めた呼び名や!」

…お前らが勝手に呼んでただけか…。

「ほらぁ、別に呼び名なんて気にせんでええがな!な?」

そういって、再度オレンジジュースを差し出す蜘蛛男。

「ふ、ふざけるな。誰が…。」
顔を横にむけ、そっぽを向いてるように見える。
が、むいててもチラ見でジュースのほうに目がいってるような…。

無言でずっとジュースを出している蜘蛛男。

ほんの少し間が空いた後、ドッペルゲンガーがそのジュースを手に取った。

「か…勘違いするな。我は喉が渇いた故、仕方なくそこにあったものを飲むだけだ!…け、決して差し出されて下衆な奴の好意に甘えるなどという物ではないからな!!!」

そういって一気にオレンジジュースを飲み干すドッペルゲンガー。

…単純にものすごいテレ屋なだけなのか?
…プライドはものすごく高そうだが。

「さて…、お前らの戯言には付き合った。あとは黒皇丸の望むがままにされるがいい。」

「むん!さすがドッペルはん。切り替え早いでんな!ワテらも負けていられんでー!」
「ヒィー!!」

再び黒皇丸にのって、手綱を引くドッペルゲンガー。
しかし、黒皇丸は動こうとしない。
動かない黒皇丸に動揺するジョッカー軍団。

「黒皇丸…?」

手綱を引かれても一向に前進しようとすらしない黒皇丸。

「…情け か。よかったな貴様等。今日は相手する気がないらしい。」
「なんやてー!?あかん!こっちはやる気モードだったんやで!?」

「特に我自身に貴様等を相手するつもりはない。」

ドッペルゲンガーがそう言い放つと、悔しそうに地団駄をふむ蜘蛛男。

「あかん!せや!ドッペル!キサン、ワテとゲームで勝負せえ!!」
ゲーム?…ああさっきの息止めゲーム。

「先ほどから何度も述べたが、貴様等と付き合う義理はない。」
頑としてこれ以上の関わりを拒絶しようとするドッペルゲンガー。
当然といえば当然か。

「はっ!うわさに聞く大悪魔とは聞くけど、こんなワテらに尻尾巻いて逃げるようなザコだとはのぉ~!幻滅や!」

切り替えを変えたか、ドッペルゲンガーに挑発をしてくる蜘蛛男。

「…。」
黒皇丸に乗ったまま、鋭い眼光で蜘蛛男を睨みつけるドッペルゲンガー。

「乗ってるのは口だけの男や!ただ馬がデカいだけ!あーあーワテらどうしてこんなヤツに苦戦してたんやろなー?」
「ヒィー!」

「面白い…我を挑発するとはいい度胸だ。」

お前、挑発に乗りすぎ。

ドッペルゲンガーは黒皇丸から降りて、先ほどの洗面器の置いてある場所に移動する。

「ルールは簡単や!コイツに顔つっこんで長く息止めてられた方の勝ちや!」
…先ほどと同じルールを説明する蜘蛛男。

「って、ちょっと待てあんた。」
「おおっとあんちゃん!気遣い無用や!ワテはそんな相手の頭押し付けるような真似なんてせえへんし、させもへんで!!!」

…なんだろう。その辺の人間より気持ちのいいヤツに見えてきた。

「さあ勝負や!」
「我を侮辱など許さぬ!必ず勝利し貴様を屈服させてやる!!」

バシャン!!

そういって、二人同時に洗面器に顔を突っ込んだ!



はっ!?


いま、俺抜け出せるチャンスじゃん!!
手下も蜘蛛男を応援してるばかりで、俺のほうに目がいっていない!

しめしめ…意外となんとか撒けるものだな。
そういってカートをそっと引きながら道に戻ろうとしたそのときだった。


ぬぅ…と伸びる影が俺の全身を覆う。

ふと、目の前から顔を上げると…そこに巨大な男が立っていた。


以前の3倍セイレンよりかは低いが、それでも俺の身長の2倍以上ある男が立ちふさがる。
いきなりあらわれたので驚いたのだが、この様子だと退いてくれそうにない。

そう思ったら、男は腕を振りかぶる行動をしていた。

「へ…。」

バッ!!

それって、俺ごと地面を殴りつける気か?
そう考える前に体が反応して回避行動を取る。


ズガンッ!!!!

ものの見事に地面を殴りつけ、衝撃が辺り一帯を響かせる。


「…お前、何者だ!」
俺は真剣に相手の素性を伺った。

「…フン…。あの無能に先を越されたと思ったときはどうしようかとおもったがな。どうやら間に合ったようだ…。」

…無能?


ひょっとして蜘蛛男のことか?

「どうせ、お前はこうして力で脅してもウィッシュルーンを渡す気なんてないのだろう?」
「…。」
相手の言葉に俺は返事を返さなかった。

「おおっと、返事なんていいぜ?元からお前をぶっつぶして手に入れるつもりだったんだからな!!!」
異質な気迫を出して、俺に迫ってきた!!

「ちぃっ!!」


すばやく竹箒形態のバーストバレットを構えて攻撃に備えた。
[PR]
by drhayasi | 2008-08-14 17:54 | 番外王 最新話