爆裂無敵 番外王 小説編 第25話
2007年 05月 14日
夏風邪が大分治ってきたDr 林だ。
今日もいかがお過ごしだろうか。
ようやく今週から昼勤務にかわり、
生活スタイルが通常にもどったので気持ちのいい朝を迎えることができる。
残業はボチボチだが…。
それにしても…夏風邪って結構しつこい。
いつまでも咳がでてしょうがない。
まあ、とりあえず番外王をどうぞ。
(更新日 2007/7/8)
爆裂無敵 番外王 第25話
~セピア色に照らされた青年と夕暮れのココモビーチ~
コロロの介抱のおかげで正気をとりもどし、若干涼しくなったココモビーチを掃除しながら駆け回るが…一向に特製竹箒が反応することがなかった。
小さな孤島も調べ終え、残すところ1/4の領域まで差し掛かる。
だが、このとき相当日は落ちており、日が海に落ちかけてる時刻までのびてしまった。
「(ふぅ…こいつぁ、一気にやんねぇとラチあかねぇかな…)」
ボソりと独り言をつぶやき、海辺を歩いてたそのときだった。
「やぁ…。」
「?」
海辺の丸太に座って、海を見ていたホワイトスミスの青年が俺に声をかけた。
思わず反応してしまった自分も自分だが。
「海はいいねぇ…。」
「んあ…ああ…まあ。」
なんだろ、この感じ。
妙な不快感を覚えるんだが。
「海は生命を育む、母なる領域。そして、見るものの心を回帰させる…。」
なんなんだ、いきなりトリップしはじめたか?
「すばらしいとは思わないかな?」
「言葉だけでつづるなら素敵だろうな。」
質問に、なんとも捕らえれないような返事をしてみた。
その返事を聞くと、海の方を見て両手を伸ばす。
「はは、ボクらはさ…もともと一つの海から生まれてきたんだよ。」
ずっとさかのぼればそうなるだろう。
もっとも…異邦人の俺からすれば、その定義にはまったくあてはまらないが。
「そう、海の前ではすべての人はつながってるんだ。」
「ほぉ…。」
「だから─」
WSの青年が立ち上がり、こちらを見る。
「一緒に─」
WSの青年が一歩、こちらに向かって歩くが…
俺は同時に一歩、後ろに下がった。
「何をおびえてるんだい?」
怯えて当然だ!
そんなホモ以上の雰囲気さらしながら近寄られたら誰だって後ずさる!!
「もともと一つなんだから一緒になることは自然なことなんだよ!」
ダッ!!!
俺は逃げた!
しかし、追いかけてきた!!
「つながることに怯えることは何一つないんだって!」
怪しいから!やばいから!
夜になるまえにひどく局地的なオトナワールドに突入しちまったあああああ!
「そこまで恥ずかしがることないじゃないか…番外王?」
─────────!
こっ コイツ!?
俺は足を止めて、振り向き…身構えた。
「ふふふ…ようやくこちらを見てくれた。ボクが何者かが…キミの名前を呼んだで推測できたみたいだね。」
「…。」
この雰囲気と、身なりからしてセイレン側の組織の人間だろう。
どういうわけか、顔は知れ渡っているようだ。
「ふ…ふ……ゾクゾクするよ、そんな目で見られたら堪らないじゃないか。」
「ゲイくさいごたくはいらねえ、俺に何のようだ。」
「キミを試しにきた。」
夕日に照らされ、目つきが変わったホワイトスミスの青年が不敵に笑いながら俺の質問に答えた。
「そう…あと、キミにすこしでもかかわった人間にも試したいことがある…。」
?
それはどういう意味だろうか…?
「キミは…他の人とは違う環境で育っているだろう?」
「…それが?」
「キミが現れてから…おかしなことの続出でね。」
「…へぇ…?」
おかしなこと…とは。
セイレンを倒したとかそういうLVの問題なのか?
「ん?もう夕暮れなのにまだ魚なんてやってるのか?…って…なんだこの雰囲気?」
む…、後ろからレイヴがやってきた。
「ん…、他いってくんないかな。ちょっとマズいヤツと会っちゃってね…。」
「?」
レイヴがまだ察してくれない。
「たしか…そのアサシンクロスはキミと会話していたね…。」
「く…、彼は関係ないだろう?まさか…?」
「その…!」
ダンッ!!!
ホワイトスミスが屈み、勢いをつけてダッシュしてきた!!
「まさか さ!!」
ガシン!!!!!
バチィッ!!!
ホワイトスミスがレイヴの頭めがけて手を伸ばしてきたが、レイヴは寸でその手を弾いた!
だが、ホワイトスミスの体全体から発する衝撃でレイヴは後ろへふっとばされた!!
「ぐうっ!?」
突然のことで驚きの意図を隠せないレイヴ。
だが、攻撃を仕掛けた本人も怪訝な顔をしている。
「やはり…おかしい。」
「お前…俺が狙いなんだろう?なぜレイヴに攻撃した!!」
「通常の人間ならこの一撃で頭がもげたはずなんだ。」
「はぁ?」
俺も、頓狂な声を上げてしまう。
現にレイヴは寸ではあるがその攻撃を弾いてる。
えぐれたはずとはどういうことか?
「自信過剰かなんなのかしらないが、他の人間を狙うのは…!」
「なんだ…?いまの…?」
?
レイヴが不思議そうな顔をしてホワイトスミスを見る。
「アイツの攻撃、まったく見えなかったのに…当たる寸前であたりが灰色になって…時間が止まったような感覚に陥って…。」
「え?」
「なるほど…。」
「気づいたら…条件反射で弾いてた…。」
なんか…俺の寸で思考がめぐりめぐる感覚によく似た状況が起こってるみたいだな…。
「今の攻撃は…この世界の住人には絶対見えないはずなんだ。」
「自信過剰もいい加減にしろ!」
「いいや…?そうではないよ。セイレンにひどくこっぴどくやられた二人を知っているだろう?」
リリスとアリアか。
「セイレンはもとから歯向かう者には容赦がなくてね。必ず絶命させてるんだ。」
ゴクリ…。
「それはひょっとして…。」
「そう、キミと出会い何かが変わって、セイレンの絶命攻撃を避けたんだ。」
「もしも…俺と出会ってなかったら…リリスとアリアは…?」
「迷いの森の中央部で、心臓のない死体となって転がっていただろうね。」
う…。
「セイレンは心臓をえぐるのが好きみたいでね。ボクは顔をもぎ取ってコレクションするのがすきなんだけどなぁ。」
「だまれ…。人の命をなんだとおもってんだよ!」
「キミもセイレンが口走ったのならしってるだろう?ボクがホムンクルスだって。普通の人間に持ち合わせる感情なんて、その程度なんだよ。」
…くそ…。
しかし、ここで口論しても種族という大きな隔たりがある以上埋まることはない…。
「お前…、いつから見ていてどこまで見ているんだ…?」
「…。」
「ふふふふふ…。」
ホワイトスミスは不気味に笑いながらこちらを見た。
「その答えは、いろいろ試してキミが生きていたら答えてあげるよ。」
「ち…むかつくぜ。せめて名前ぐらい名乗れ!」
すると、ホワイトスミスは見下したかのような目線でこちらを見た後、すこし考えるふりをした。
「ふむ…。名乗ると頭が悪そうですが…、いいでしょう。」
どうやら…頭が悪いというわけではないらしい。
礼儀がいちおうなっている?…ということか?
「ボクの名前はハワード=アルトアイゼン。セイレンがいったとおり完成型・量産型のベースとなったプロトタイプのヒューマノイドホムンクルスさ。」
やっぱり…。
「キミは…ぼくら…「チルドレン」の活動に大きな障害を与えるものであり、なおかつぼくらの意思を遂げてくれる一番最適な人間という皮肉もいいところな存在なんだ。」
「なにいってるのかよく分からんが、俺を消そうっていうのだけは分かる。」
「消されるかどうかはこの試験次第。試させてもらうよ。」
く…。
「あーなーたーーー!?」
「うお!?マローネ!?」
後ろから女性の声がしたので振り向いて見ると、エプロンをした女クルセイダーがこちらに駆け寄ってきている。
「こんな時間まで帰ってこないかと思ったらまだココにいた!帰るよ!」
「あ…ああ。」
「悪いな、巻き込んで。今日のことはできるだけ忘れてほしい。」
「そうはいかない。」
ズゴアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!
その言葉と同時に、自分達の後ろにサンドストームが現れる!
うん?なにかが巻き上げられたように見えたが。
「ぁぁぁぁぁああああああああっ!!!」
ボフン!!!
サンドストームに巻き込まれた誰かがこちら側に落ちてきた。
「あい…た…たぁぁ~…。」
「コ…コロロ!?」
「あ…はは。ちょっと物陰であなたたちをみてたら巻き上げられちゃいました…。」
「あちゃ~…。」
「どうする…帰れない。」
レイヴが冷や汗をかきながらため息をつく。
「どうするも…、あのホワイトスミスのせいでしょ?何とかしないと…。」
マローネと呼ばれた女性が手に腰をあててレイヴを叱咤する。
「なら、全力で援護します!」
コロロが杖を持ち出し、戦闘態勢を整える。
正直な話、あまり他人を巻き込みたくない。
だが…。
「そうだね…まずは周りの人間を試させてもらうよ。」
やっぱりか!
「ち…、用があるのは俺だけなんだろ!?他の人巻き込むんじゃねえ!」
「いまのこの瞬間は、キミには用がない。」
ドウッ!!!!
言葉を言い終わったと同時に、俺はセイレンのときと同じ見えない衝撃を喰らい、岸側にぶっとばされてしまった!
「ぐあっ!?」
おもいきりぶっ飛ばされ不意をつかれてしまい、受身もとれずに砂の上にたたきつけられた!
「さて…。」
ハワードが残された3人をみて言葉を続けた。
「君達はもしも何かができたら…などと思ったことはないかな?」
「…。」
異様な雰囲気に言葉を押し殺す3人。
「ボク達はね…もしもをかなえる力を持っているんだ。」
「…!」
「そうだな…もしも、ボクが伝説の巨人・ギガンテスを召喚できるとしたら…。」
ゴクリ…。
「君達は…ギガンテスに打ち勝つことができるかな…?フフフフフ…。」
「させるかあああ!!!!」
ドゥッ!!!!
レイヴが叫んだあと、魂壊をハワードにむけて発射する!!
「甘いよ!」
バシン!!!
ハワードは魂壊を左手で弾いた!!
「いでよ!!!!」
ズンッ!!!!
言葉と同時にあたりの空気が振動する!!!
「伝説の巨人!ギガンテス!!!!」
あたりに稲妻が走り、砂浜がざわめき、空気が恐怖に震え、ハワードの前にゆっくりと…
え!?
3体の巨人が姿を現した!!!!
「さあ、試させてもらうよ!少しでも番外王に関わった、君達の実力を!!!」
背丈が10倍以上ありそうなヤツを相手に、レイヴ・マローネ・コロロの3人で闘えというのか!?
…ムチャだ!こんなヤツ100人かかって倒せるかどうかじゃないのか!?
しかも3体!
「やるしかねえ!!!! 燃えてきたああああ!!!」
滅茶苦茶熱血だなぁレイヴッ!!!
「はぁ、シチュー冷えちゃったよね~。きっと。」
滅茶苦茶平静だなぁマローネッ!!!
「とりあえず、一体を私がおびき寄せたほうがいいかしら。二人で一体づつ片付ければ…。」
滅茶苦茶冷静だなぁコロロッ!!!
…。
……。
………。
俺って一体なんなんだろう?
様々な意味で困惑を極めた。
今日もいかがお過ごしだろうか。
ようやく今週から昼勤務にかわり、
生活スタイルが通常にもどったので気持ちのいい朝を迎えることができる。
残業はボチボチだが…。
それにしても…夏風邪って結構しつこい。
いつまでも咳がでてしょうがない。
まあ、とりあえず番外王をどうぞ。
(更新日 2007/7/8)
爆裂無敵 番外王 第25話
~セピア色に照らされた青年と夕暮れのココモビーチ~
コロロの介抱のおかげで正気をとりもどし、若干涼しくなったココモビーチを掃除しながら駆け回るが…一向に特製竹箒が反応することがなかった。
小さな孤島も調べ終え、残すところ1/4の領域まで差し掛かる。
だが、このとき相当日は落ちており、日が海に落ちかけてる時刻までのびてしまった。
「(ふぅ…こいつぁ、一気にやんねぇとラチあかねぇかな…)」
ボソりと独り言をつぶやき、海辺を歩いてたそのときだった。
「やぁ…。」
「?」
海辺の丸太に座って、海を見ていたホワイトスミスの青年が俺に声をかけた。
思わず反応してしまった自分も自分だが。
「海はいいねぇ…。」
「んあ…ああ…まあ。」
なんだろ、この感じ。
妙な不快感を覚えるんだが。
「海は生命を育む、母なる領域。そして、見るものの心を回帰させる…。」
なんなんだ、いきなりトリップしはじめたか?
「すばらしいとは思わないかな?」
「言葉だけでつづるなら素敵だろうな。」
質問に、なんとも捕らえれないような返事をしてみた。
その返事を聞くと、海の方を見て両手を伸ばす。
「はは、ボクらはさ…もともと一つの海から生まれてきたんだよ。」
ずっとさかのぼればそうなるだろう。
もっとも…異邦人の俺からすれば、その定義にはまったくあてはまらないが。
「そう、海の前ではすべての人はつながってるんだ。」
「ほぉ…。」
「だから─」
WSの青年が立ち上がり、こちらを見る。
「一緒に─」
WSの青年が一歩、こちらに向かって歩くが…
俺は同時に一歩、後ろに下がった。
「何をおびえてるんだい?」
怯えて当然だ!
そんなホモ以上の雰囲気さらしながら近寄られたら誰だって後ずさる!!
「もともと一つなんだから一緒になることは自然なことなんだよ!」
ダッ!!!
俺は逃げた!
しかし、追いかけてきた!!
「つながることに怯えることは何一つないんだって!」
怪しいから!やばいから!
夜になるまえにひどく局地的なオトナワールドに突入しちまったあああああ!
「そこまで恥ずかしがることないじゃないか…番外王?」
─────────!
こっ コイツ!?
俺は足を止めて、振り向き…身構えた。
「ふふふ…ようやくこちらを見てくれた。ボクが何者かが…キミの名前を呼んだで推測できたみたいだね。」
「…。」
この雰囲気と、身なりからしてセイレン側の組織の人間だろう。
どういうわけか、顔は知れ渡っているようだ。
「ふ…ふ……ゾクゾクするよ、そんな目で見られたら堪らないじゃないか。」
「ゲイくさいごたくはいらねえ、俺に何のようだ。」
「キミを試しにきた。」
夕日に照らされ、目つきが変わったホワイトスミスの青年が不敵に笑いながら俺の質問に答えた。
「そう…あと、キミにすこしでもかかわった人間にも試したいことがある…。」
?
それはどういう意味だろうか…?
「キミは…他の人とは違う環境で育っているだろう?」
「…それが?」
「キミが現れてから…おかしなことの続出でね。」
「…へぇ…?」
おかしなこと…とは。
セイレンを倒したとかそういうLVの問題なのか?
「ん?もう夕暮れなのにまだ魚なんてやってるのか?…って…なんだこの雰囲気?」
む…、後ろからレイヴがやってきた。
「ん…、他いってくんないかな。ちょっとマズいヤツと会っちゃってね…。」
「?」
レイヴがまだ察してくれない。
「たしか…そのアサシンクロスはキミと会話していたね…。」
「く…、彼は関係ないだろう?まさか…?」
「その…!」
ダンッ!!!
ホワイトスミスが屈み、勢いをつけてダッシュしてきた!!
「まさか さ!!」
ガシン!!!!!
バチィッ!!!
ホワイトスミスがレイヴの頭めがけて手を伸ばしてきたが、レイヴは寸でその手を弾いた!
だが、ホワイトスミスの体全体から発する衝撃でレイヴは後ろへふっとばされた!!
「ぐうっ!?」
突然のことで驚きの意図を隠せないレイヴ。
だが、攻撃を仕掛けた本人も怪訝な顔をしている。
「やはり…おかしい。」
「お前…俺が狙いなんだろう?なぜレイヴに攻撃した!!」
「通常の人間ならこの一撃で頭がもげたはずなんだ。」
「はぁ?」
俺も、頓狂な声を上げてしまう。
現にレイヴは寸ではあるがその攻撃を弾いてる。
えぐれたはずとはどういうことか?
「自信過剰かなんなのかしらないが、他の人間を狙うのは…!」
「なんだ…?いまの…?」
?
レイヴが不思議そうな顔をしてホワイトスミスを見る。
「アイツの攻撃、まったく見えなかったのに…当たる寸前であたりが灰色になって…時間が止まったような感覚に陥って…。」
「え?」
「なるほど…。」
「気づいたら…条件反射で弾いてた…。」
なんか…俺の寸で思考がめぐりめぐる感覚によく似た状況が起こってるみたいだな…。
「今の攻撃は…この世界の住人には絶対見えないはずなんだ。」
「自信過剰もいい加減にしろ!」
「いいや…?そうではないよ。セイレンにひどくこっぴどくやられた二人を知っているだろう?」
リリスとアリアか。
「セイレンはもとから歯向かう者には容赦がなくてね。必ず絶命させてるんだ。」
ゴクリ…。
「それはひょっとして…。」
「そう、キミと出会い何かが変わって、セイレンの絶命攻撃を避けたんだ。」
「もしも…俺と出会ってなかったら…リリスとアリアは…?」
「迷いの森の中央部で、心臓のない死体となって転がっていただろうね。」
う…。
「セイレンは心臓をえぐるのが好きみたいでね。ボクは顔をもぎ取ってコレクションするのがすきなんだけどなぁ。」
「だまれ…。人の命をなんだとおもってんだよ!」
「キミもセイレンが口走ったのならしってるだろう?ボクがホムンクルスだって。普通の人間に持ち合わせる感情なんて、その程度なんだよ。」
…くそ…。
しかし、ここで口論しても種族という大きな隔たりがある以上埋まることはない…。
「お前…、いつから見ていてどこまで見ているんだ…?」
「…。」
「ふふふふふ…。」
ホワイトスミスは不気味に笑いながらこちらを見た。
「その答えは、いろいろ試してキミが生きていたら答えてあげるよ。」
「ち…むかつくぜ。せめて名前ぐらい名乗れ!」
すると、ホワイトスミスは見下したかのような目線でこちらを見た後、すこし考えるふりをした。
「ふむ…。名乗ると頭が悪そうですが…、いいでしょう。」
どうやら…頭が悪いというわけではないらしい。
礼儀がいちおうなっている?…ということか?
「ボクの名前はハワード=アルトアイゼン。セイレンがいったとおり完成型・量産型のベースとなったプロトタイプのヒューマノイドホムンクルスさ。」
やっぱり…。
「キミは…ぼくら…「チルドレン」の活動に大きな障害を与えるものであり、なおかつぼくらの意思を遂げてくれる一番最適な人間という皮肉もいいところな存在なんだ。」
「なにいってるのかよく分からんが、俺を消そうっていうのだけは分かる。」
「消されるかどうかはこの試験次第。試させてもらうよ。」
く…。
「あーなーたーーー!?」
「うお!?マローネ!?」
後ろから女性の声がしたので振り向いて見ると、エプロンをした女クルセイダーがこちらに駆け寄ってきている。
「こんな時間まで帰ってこないかと思ったらまだココにいた!帰るよ!」
「あ…ああ。」
「悪いな、巻き込んで。今日のことはできるだけ忘れてほしい。」
「そうはいかない。」
ズゴアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!
その言葉と同時に、自分達の後ろにサンドストームが現れる!
うん?なにかが巻き上げられたように見えたが。
「ぁぁぁぁぁああああああああっ!!!」
ボフン!!!
サンドストームに巻き込まれた誰かがこちら側に落ちてきた。
「あい…た…たぁぁ~…。」
「コ…コロロ!?」
「あ…はは。ちょっと物陰であなたたちをみてたら巻き上げられちゃいました…。」
「あちゃ~…。」
「どうする…帰れない。」
レイヴが冷や汗をかきながらため息をつく。
「どうするも…、あのホワイトスミスのせいでしょ?何とかしないと…。」
マローネと呼ばれた女性が手に腰をあててレイヴを叱咤する。
「なら、全力で援護します!」
コロロが杖を持ち出し、戦闘態勢を整える。
正直な話、あまり他人を巻き込みたくない。
だが…。
「そうだね…まずは周りの人間を試させてもらうよ。」
やっぱりか!
「ち…、用があるのは俺だけなんだろ!?他の人巻き込むんじゃねえ!」
「いまのこの瞬間は、キミには用がない。」
ドウッ!!!!
言葉を言い終わったと同時に、俺はセイレンのときと同じ見えない衝撃を喰らい、岸側にぶっとばされてしまった!
「ぐあっ!?」
おもいきりぶっ飛ばされ不意をつかれてしまい、受身もとれずに砂の上にたたきつけられた!
「さて…。」
ハワードが残された3人をみて言葉を続けた。
「君達はもしも何かができたら…などと思ったことはないかな?」
「…。」
異様な雰囲気に言葉を押し殺す3人。
「ボク達はね…もしもをかなえる力を持っているんだ。」
「…!」
「そうだな…もしも、ボクが伝説の巨人・ギガンテスを召喚できるとしたら…。」
ゴクリ…。
「君達は…ギガンテスに打ち勝つことができるかな…?フフフフフ…。」
「させるかあああ!!!!」
ドゥッ!!!!
レイヴが叫んだあと、魂壊をハワードにむけて発射する!!
「甘いよ!」
バシン!!!
ハワードは魂壊を左手で弾いた!!
「いでよ!!!!」
ズンッ!!!!
言葉と同時にあたりの空気が振動する!!!
「伝説の巨人!ギガンテス!!!!」
あたりに稲妻が走り、砂浜がざわめき、空気が恐怖に震え、ハワードの前にゆっくりと…
え!?
3体の巨人が姿を現した!!!!
「さあ、試させてもらうよ!少しでも番外王に関わった、君達の実力を!!!」
背丈が10倍以上ありそうなヤツを相手に、レイヴ・マローネ・コロロの3人で闘えというのか!?
…ムチャだ!こんなヤツ100人かかって倒せるかどうかじゃないのか!?
しかも3体!
「やるしかねえ!!!! 燃えてきたああああ!!!」
滅茶苦茶熱血だなぁレイヴッ!!!
「はぁ、シチュー冷えちゃったよね~。きっと。」
滅茶苦茶平静だなぁマローネッ!!!
「とりあえず、一体を私がおびき寄せたほうがいいかしら。二人で一体づつ片付ければ…。」
滅茶苦茶冷静だなぁコロロッ!!!
…。
……。
………。
俺って一体なんなんだろう?
様々な意味で困惑を極めた。
by drhayasi
| 2007-05-14 21:23
| 番外王 チャプター2